Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
婆惜はこぼるるような愛嬌であいさつした。宋江は間に立って、やや羞恥ましげに、
「こちらはね、役署の属僚で、書記室の次長をしている張文遠――またの通り名を、小張三というお人だ。なにかと、仕事の上でもわがままをいっているし、お前もまた、親しくしていただくようにと思ってね」
「どうぞ、ふつつか者でございますが」
鬢の簪を重たげに、婆惜はかしらを下げ、張三もいんぎんに礼をしたが、年ばえから見ても、この二人の対比は、一対の美男美女であったばかりでなく、婆惜のひとみには、張三を見たとたんに、性来の多情がたっぷり色となって、耳朶までほの紅く染めていたにもかかわらず、そばで眺めていた宋押司は、それを嫉むということすらも、知らなかった。
女には男扱いされぬ君子も、山野の侠児には恋い慕われる事
たださえ美人の婆惜が、その夜は、わけても艶だった。宋江へ愛想がいいのは当り前だが、張三への執りなしも並ならず細やかだった。杯のひまにはふと、化粧崩れを直したり、いつのまにか衣裳を着代えて現われたり、いつにない酔艶、妖しいばかりに見える。
「ああ、いい月だこと。今夜は燭もいりませんわねえ。