Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate

Aozora Bunko

「いえ、あのせつ、県の与力の雷横さんと朱同さんにも、蔭ながらお助けをうけたので、ついでにそちらへもちょっと、お礼を言ってこいと申しつかって来ましたんで」

「左様か。礼はよいが、しかし、金などは一切やってくれぬほうがいいな」

「へえ。いけませんかね」

「雷横もいい人物だが、与力のくせに、大酒呑みだ。身不相応な金などは持たせぬほうが当人のためだろう。……かたがた、事件いらい、ここの町には目明しが増員され、わけて他州者にはすぐ犬が尾くぞ、油断はあるまいが、気をつけるがいい」

「ありがとうござんす。ヘンな禍風でも背負った日にゃあ大変だ。さっそくに退散します。どうかまあ、押司さまにはごきげんよう」

いうやいな、劉唐は、范陽笠を眉深にかぶッて、蝙蝠のように、県外の街道へ、消え失せてしまった。

あと見送ってから、宋江は呟いた。「……他人事ではない。危ないのは自分も同様だった。もし、梁山泊の使いと、こっそり出会っていたことなどが、役署の誰かにでも知られた日には……」と、急に宵風も肌にソワソワ刺す心地だった。――で、にわかに足をいそぎかけると、あいにく、辻の出会いがしらに、ばったり、婆惜の親の閻の婆さんにぶつかってしまった。