Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
――だから、逮捕令を出せ、出すまいとする、両者の心理的葛藤は、どうしてなかなか微妙なのだ。
とはいえ証拠品やら閻婆の提訴状まで並べられては、ついに知事も折れて、
宋江逮捕
の令状を下さずにいられなかった。しかし、それはすでに遅く、捕手の群れはやがて空しく引き揚げて来て復命した。
「はや犯人は宿所におりません。杳として以来、姿を見ぬということです」
すると、側で聞いていた張文遠が、俄然、青すじを立てて怒鳴った。
「そんなばかなことはない! 今頃まで日頃の下宿にいないのは当りまえだ。元来、彼奴は宋家村の生れ。村には今も父親の宋老人と弟の宋清が一しょに住んでいる。なぜそこを突かんか。そこに潜伏しているに違いないわ」
宋家村の宋江の実家は急襲された。
ところが、老父の宋老人の神妙な応対と、袖の下をたんまり受けて来た捕手たちは、またも手ぶらで時文彬知事に、こんな復命をもたらした。
「当主の宋老父の釈明によりますと、実家とはいえ、すでに四、五年前に家督は弟の宋清に譲ッているそうで、その宋江は、官途へ立つ身に縁類があっては私心の煩いになるとかいって、独り宋家の戸籍を脱けておる由。