Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
武松を二階へ上げて引っ込むと、金蓮はあたふた鏡台へ向った。髪をつかね、香油を塗り、すっかり化粧や着がえも凝らしたうえで、また上がって来た。
「二郎さん、見てよ。これ、いつかあなたにいただいた緞子で仕立てた袿袴なのよ。どう似合うこと?」
と、姿態を作って、横へ向き、後ろを見せ、そして武松の椅子の廻りをそっと巡り歩いた。
さきの一例で懲りているので、今日は大事をとるつもりだろうが、その妖艶な媚びといったらない。たとえば蜘蛛がその獲物を徐々に巣の糸に縢り殺して、やがて愉しみ喰らおうとするようだった。武松は嫂のあれがまた始まるかと気が重い。ただ固くなっている。そのうち兄の武大が帰って来た、武大はよろこぶまいことか。
「おお、武二。よく来てくれたな。ほんとによく来てくれたよ。どうしたい近頃は」
「兄さんじつは、お別れに来たんです。といっても二タ月三月のことですがね」
「えっ、どこか遠方へでも行くのかい」
「公命で開封東京まで行って来ます。いずれまたすぐ帰りますが、どうも何だか、兄さんに気まずい思いをさせてるようで、そいつが一つの旅路の気がかり。どうかいつかのことは、兄さん堪忍しておくんなさい」