Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate

Aozora Bunko

――晩には仲よく寝酒でも飲むっていう風にね、とにかく無事に機嫌よく毎日を送っていてくださいよ。くどいようだが頼みますぜ。……はははは何だかまるで、媒人の言い草みてえになッちゃったなあ。――じゃあ兄さん、行ってきますよ」

武松は階段を下りて行く。武大もついて行く。そのときも、武松はまた、小声で言った。

「兄さん、忘れなさんなよ、今夜、あっしが言ったことを」

「うん、うん……」

弟の影が見えなくなると、武大は軒下で声を上げて泣いた。――その泣き顔を持って二階へ戻ると、金蓮はケラケラ笑った。残りの酒を独りで仰飲ッていたのである。そればかりか卓にトンと頬づえ突いて顔を乗せると、良人の泣き面を見ながらつくづく呟いた。

「オオいやだ、夫婦は二世だなんて。――半世でも、うんざりなのにさ!」

翌日、武松は県城を離れて、はるか東京の空へ旅立ったが、彼の気がかりとしていた饅頭売りの兄の武大には、以後一こうに良い変り目もなさそうだった。

「あら、お前さんたら。なんだってまだ陽も高いうちに、商売から帰ってきたの」

「だって、弟が言ったもの。兄さん、俺の留守中は、必ず早目に毎日帰んなさいよって」