Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
さ、そんな土性骨か、食わせ者か、試してやるから受けてみろ」
跳び退いたのは、構えを作るためだった。いきなり彼の棒は、右手と一本のものとなって、ぶんっと、王進の首のつけ根へ落ちてきた。
どう取ったのか、王進は彼の棒の一端を、左の腋の下にしっかと挟み込んで、
「おあるじ。よろしいですか」
と、太公の顔を見て笑った。
「よろしいとも。うんと、こらしてくだされい。鳥なき里の蝙蝠とかで、自分以上な者はないと、何ともかとも、手のつけられん小伜じゃ。ひとつその増上慢の鼻を、折ッぴしょッてくだされば、いっそ、当人には倖せというもんじゃろ」
「承知しました。親御のお頼みとあれば」
聞くと、史進は、
「なにをっ」
と、全身九ツの龍に、ぱっと血を与えたような色を、みなぎらせた。
が、もとより田舎仕込みの武技だ。たとえこの若者の肉体と血気に、どんな精根があろうと、王進の眼には、児戯にひとしいものだったのは、いうまでもない。
一振一撥、また、眼もとまらぬ一撃一突、すべて見事な肉体の空演舞だった。史進は、声を嗄らして、その喉から臓腑を吐かんとするほどに身も疲れてしまった。それでも、まいったとはいわなかったが、あ――と感じるまに、大空が自分の脚の上に見えた。