Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate

Aozora Bunko

事を好む人間はどこにもいる。何を教えられたか、哥は眼をまろくしてよろこび、さっそく果物籠を頭に乗ッけて、もう歩き初めたものである。

「小父さん、巧くいったら、小父さんちの台所へ、雪梨を一籠タダで届けるぜ。おらもおふくろに金を見せてよろこばしてやれるもンなあ」

「ばか。往来中だぞ。大きな声をしねえで、早く行ってみろ」

「あいよ」

紫石街の街端れ、彼の裸足の軽ろさでは、またたくまだった。

見ると。

茶店の王婆は、店さきの床几で糸を紡いでいる。隣の武大の家はといえば、あいかわらずな芦簾の掛け放し。人が住むとも留守ともみえないような静けさだ。「……ははん」と、※(「軍+おおざと」、第4水準2-90-23)哥は猿の目みたいな小賢しさで頷いた。

「おばあさん、こんちは」

「えい! びっくりするじゃないか、この子は。なんだよ素大ッかい声をして」

「雪梨を買ってもらいに来たんだよ。――今日はいい杏もあるしさ」

「また、おいで!」

「婆さんにいってるんじゃねえや」

「なンだって。じゃあ誰に売ろうっていうのさ」

「奥にいる旦那にだよ」

「だんな?」

「西門慶の旦那さんに買ってもらいてえんだ。