Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
別るるとき 茫々 江は月を浸せり
忽ち聞く水上琵琶の声
「……ああ」宋江は、ついに涙をたれた。故郷が偲ばれてきたのである。老父は琵琶が好きだった。「もしこれがともに聴ける琵琶であったら」と悔やまれ、身の不孝にさいなまれていたのらしい。
声を尋ねて 暗かに問う 弾く者はたれぞと
琵琶の声はやみ 語らんとするも遅し
船を移し 相近づき むかえて相見る
酒をそえ 灯をめぐらし 重ねて宴を開く
千呼万喚 始めて出で来たるも
なお 琵琶を抱きて 半ば面を遮ぎる
軸を締め 絃を撥いて 三両声
まだ曲調を成さざるに 先ず情あり
「…………」
宋江はまた不思議な感に打たれた。灯は冴えて座中、声もないのは奇異でもないが、その顔ぶれは李俊、張横、穆弘、穆春、薛永、童威、童猛、どれをみても血臭い野性の命知らずだ。その荒くれどもが、かくも生れながらの嬰児のように純な姿で神妙に首うなだれて聞き入っているのはいったい何の力なのか?
絃々に抑え 声々に想い
平生 志を得ざるを訴うるに似たり
眉を低れ、手にまかせて 続々と弾き
説きつくす 心中 無限の事
「……そうだ、こんなやりばのない想いは、いまの若い者の胸にはいっぱいなのだ。