Classici giapponesi con furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate
まぎれなくそれは人の気配にちがいなく、
「星主さま。星主さま……」
と、二人の青衣の童子が左右から自分を呼んでいるのであった。
ぼかと、宋江はうつろな眸で、ふたりの童子の姿を見た。
天竺髷の頭、琅の耳環、鳳凰型の沓。
また、その青い綾衣には花鳥のもよう、薄むらさきの、長やかな風持つ紐。
「おっ? ……どなたでしょうか。おふたりは?」
「女神さまの使わし女です。宋星主さまを、お迎えにあがりました」
「星主? わたくしはそんな者ではありません」
「いいえ、おまちがいはございません。お越し下さればわかります」
「どちらへ」
「お待ちあそばしている女神さまのお座所まで」
清々しい微風がいつか宋江の身を乗せている。
月があって、その月が、まるで近くの物のようで、かつて見たこともない燿かしい真珠色をおびていた。
「おや?」
ここはその月の中なのではあるまいか。宋江は疑った。故郷宋家村の近くに、かかる所があったとは、生れてから老父のはなしにも聞いたことはない。
「星主さま。さあどうぞ」
銀柳、金花、楼を繞る翠靄の苑。
登れと誘うこの玉階は、いったい、たれの館なのか。
ふと、天上の仙館が思われた。