Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Leggi 新・水滸伝 (しん・すいこでん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 684.899 caratteri · 1374 schermate

Aozora Bunko

しかし眠れない。眠らんとすればするほど心炎はカッカと冴えてくるばかり。ついにまた、脚を床にドタバタさせて呶鳴りだした。

「巧雲、巧雲っ。……離縁状をくれてやるからここへ来いっ。やいっ、出て来いッていうのに、髪の毛を切って梵妻にしてくれるからここへ出て来いっ」

寝てもいられない。巧雲はまた良人の部屋へ恐々と入って行った。するとすぐ、彼女の悲鳴がヒーッともれた。しかしまたしばらくするとそれは、甘いようなすすり泣きに変り、夫婦らしい密語にしいんと密まッて、なお、しゅくしゅくと、五更の残灯もともにまたたき哭いているふうだった。

「……じゃあ何か、巧雲、おれがいったのはみんな根もない嘘だと言い切るのか」

「く、くやしい、わたし……。嘘ッぱちにも何も、まったく身に覚えなんかありませんもの。みんなあの居候めの、つくり言です、濡れ衣です」

「てえと……石秀の讒訴だというわけだな」

「そうですとも、元々はあなたが、どこの馬の骨やらしれないあんな男を連れて来て、義の弟だの、やれ私を義姉さんだなンて、呼ばせるからツケ上がってくるんですよ。もう私だって、我慢はならない。言ってしまう! ……」