Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate

Aozora Bunko

十二

今茲十九になる糺はむずかしい顔をして、白地の寝衣の腕を捲りあげながら、二十二、三の青年のように大人ぶった様子で、火鉢の傍に坐ると、ぽかぽか莨を喫い出した。

「糺や、お庄が浅草の家を逃げて来たとえ。」と主婦は大声で言った。

糺は目元に笑って、黙っていた。

「また詫びを入れて帰って行くにしろ、このまま出てしまうにしろ、断わりなしに出て来るというのはよくないで、お前は葉書を一枚書いて出しておかっし。」

糺はうるさそうに口を歪めていた。

朝飯のとき、お庄も衆と一緒に餉台の周りに寄って行った。

「浅草へ行ってから、お庄もすっかり様子がよくなった。」糺は飯を盛るお庄の横顔を眺めながら笑った。

十二

ここの下宿は私立学校の医学生と法学生とで持ちきっていた。長いあいだ居着いているような人たちばかりで、菊太郎や糺とも親しかった。中には免状を取りはぐして、頭脳も生活も荒んでしまった三十近い男などが、天井の低い狭い部屋にごろごろして、毎日花を引いたり、碁を打ったりして暮した。夜はぞろぞろ寄席へ押しかけたり、近所の牛肉屋や蕎麦屋で、火を落すまで酒を飲んだりした。北廓の事情に詳しい人や、寄席仕込みの芸人などもあった。