Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
三時ごろからしばらくの間斜に差し込む西日の影は、かなり暑かった。お庄は芳太郎の昼寝をしている側で、自分もぐったり眠ってしまうようなことが間々あった。森に蜩の声が、聞える時分に、ふと汗ばんだ腋のあたりに、涼しい風が当って目がさめると、芳太郎もぼんやりした顔をして、起き直っていた。両手を上へ伸ばして、突伏しになっていたお庄は、懈い体を崩して、べッたりと坐りながら、大きい手で顔を撫でたり、腕を擦ったりしていた。通りに豆腐屋の声などがして、邸のなかはひっそりとしていた。
体に悪戯をされたことに心づくと、お庄は妙に腹が立った。子供のような芳太郎はお庄のぶよぶよした白い股のあたりに、何やら入れ墨のようなものを描いて、にやにやしていた。
「知っていますよ。」
お庄はその悪戯書きを見て見ぬふりをしていたが、終いに一緒に噴き出してしまった。
「叱られますよ。」とお庄はまた本気になって見せた。その顔は紅かった。
く、く、くと鳴いている鶏の世話をしに芳太郎は裏の方へ出て行った。お庄も砂埃を拭き掃除しようと思ったが、初め来たころ日課にしていたようには働けもしなかった。今日逃げようか、明日は出ようかという気が、始終頭脳にあった。