Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
浅山のうちでも、長く続かないことが解って来た。いつかお庄が、夜その相談に行ったときも、夫婦は、もう断念めてしまったような口吻を洩らしていた。
「私たちが黒幕にいるように思われちゃ、事が面倒ですよ。中村さんにも気の毒ですから、誰も知らない風にして、うまく逃げられたらお逃げなさい。そうすれば、私たちにも責任はないし、中村の顔も立つんですから。」と、従姉は内々でお庄を唆かした。
お庄はそれから、時々風呂敷に包んで、着物や何かを、夜従姉の家へ持ち込むことにした。家からも、中村の家へ持ち運ぶように見せかけて、少しずつ取り出すことを怠らなかった。中には以前磯野から受け取った手紙を封じ込んだ背負い揚げや、死んだ叔母から伝わった歌麿の絵本などがあった。その絵本を、ほかの物と一つに、お庄は磯野と質に入れたこともあったが、芳太郎のところへ来てから間もなく、やっと取り出すことが出来た。お庄はその値打ちのものだということを、磯野に聴いて知っていた。
「まかり間違って、茨城にいるお照さんのところへ訪ねて行くにしても、これを売りさえすれば旅費ぐらいは出来る。」
お庄は中村や芳太郎の手からのがれたとき、切迫つまって来れば、自分はどこへ行く体か解らないと思った。