Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate

Aozora Bunko

「あの書生さんが、またどことなく人ずきのする男ですよ。」とお銀はその薬局まで気に入っていた。

お銀のことなどで、その医者に呼びつけられることは笹村にとって、あまり心持よくなかった。

「何んだつまらない、わざわざ人を呼びつけたり何かしやがって……。」

笹村は帰って来ると、お銀に憤りを洩らした。笹村を詰問でもするらしい調子に出ようとした医者の態度は、お銀の若いその医者に対する甘えたような様子を想像せしめるに十分であった。

「今度は一つ、いい医者に診ておもらいなさらなけアいけませんよ。」

医者のそう言った口吻には、妻に対する良人の冷酷を責めでもするような心持がないとは言えなかった。

「高橋さんは何かあなたに失礼なことでも言ったんですか。」

お銀は不思議そうな顔をした。

「だって私独りで病院へ行っても、明き盲ですからね。もし行くなら、高橋さんが婦人科の掛りを知っているから、一緒について行ってよく話をしてあげてもいい。とにかく一応あなたにも話すから……とそう言ったまでじゃありませんか。」

この前にも知合いの医者に連れて行ってもらったことのあるお銀が、勝手の解らない広い病院で、あっちへまごまごこっちへまごまごするのが厭さに、始終出無精になっていたのは笹村にも呑み込めないことでもなかったが、そうした筋道の立ったお銀の言い分は