Classici giapponesi con furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Leggi 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 346.393 caratteri · 692 schermate
婦人病らしい神さん風の女や、目ざとい婆さんなどが、やがて続いて入って来た。
お増が湯からあがるころには、外はもうしらしらと明けて来た。
「翌朝こそ帰りましょう。」
昨夜一晩中思い続けていたお増は、朝になると、いくらか気が晴れて、頭脳のなかのもやもやした妄想が、拭うように消えて行った。
雨の霽った空には、山の姿がめずらしくはっきりして見えた。部屋から見える川筋にも、柔かい光が流れていた。
朝飯の膳のうえに、病気の容体を気にしているお今の葉書が載っていた。家には何のこともないらしかった。
三十三
三週間というのを、やっと二週間そこそこで切り揚げて来たお増は、嶮しい海岸の断崖をがたがた走る軽便鉄道や、出水の跡の心淋しい水田、松原などを通る電車汽車の鈍いのにじれじれしながら、手繰りつけるように家へ着いたのであった。いつも、じーんと耳の底が鳴るくらい淋しい湯宿の部屋にいつけた頭脳は、入って来た日暮れ方の町の雑沓と雑音に、ぐらぐらするようであった。
お増はがっかりしたような顔をして、べったり長火鉢の前に坐って、そこらを見廻していた。
「まあ早かったこと。