Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しゅんちゅう 

春昼・春昼後刻

泉 鏡花

Leggi 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.079 caratteri · 102 schermate

Aozora Bunko

二十二

そうすると、」

「はあ、はあ、」

「薄汚れた帆木綿めいた破穴だらけの幕が開いたて、」

「幕が、」

「さよう。向う山の腹へ引いてあったが、やはり靄に見えていたので、そのものの手に、綱が引いてあったと見えます、踞ったままで立ちもせんので。

窪んだ浅い横穴じゃ。大きかったといいますよ。正面に幅一間ばかり、尤も、この辺にはちょいちょいそういうのを見懸けます。背戸に近い百姓屋などは、漬物桶を置いたり、青物を活けて重宝がる。で、幕を開けたからにはそれが舞台で。」

二十二

「なるほど、そう思えば、舞台の前に、木の葉がばらばらと散ばった中へ交って、投銭が飛んでいたらしく見えたそうでございます。

幕が開いた――と、まあ、言う体でありますが、さて唯浅い、扁い、窪みだけで。何んの飾つけも、道具だてもあるのではござらぬ。何か、身体もぞくぞくして、余り見ていたくもなかったそうだが、自分を見懸けて、はじめたものを、他に誰一人いるではなし、今更帰るわけにもなりませんような羽目になったとか言って、懐中の紙入に手を懸けながら、茫乎見ていたと申します。

また、陰気な、湿っぽい音で、コツコツと拍子木を打違える。