Classici giapponesi con furigana
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しゅんちゅう
春昼・春昼後刻
泉 鏡花
Leggi 春昼・春昼後刻 (しゅんちゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.079 caratteri · 102 schermate
二十八
それを大袈裟に礼を言って、極を悪がらせた上に、姿とは何事です。幽霊じゃあるまいし、心持を悪くする姿というがありますか。図体とか、状とかいうものですよ。その私の図体を見て、心持が悪くなったは些と烈しい。それがために寝たは、残酷じゃありませんか。
要らんおせっかいを申上げたのが、見苦しかったらそうおっしゃい。このお関所をあやまって通して頂く――勧進帳でも読みましょうか。それでいけなけりゃ仕方がない。元の巌殿へ引返して、山越で出奔する分の事です。」
と逆寄せの決心で、そう言ったのをキッカケに、どかと土手の草へ腰をかけたつもりの処、負けまい気の、魔ものの顔を見詰めていたので、横ざまに落しつけるはずの腰が据らず、床几を辷って、ずるりと大地へ。
「あら、お危い。」
というが早いか、眩いばかり目の前へ、霞を抜けた極彩色。さそくに友染の膝を乱して、繕いもなくはらりと折敷き、片手が踏み抜いた下駄一ツ前壺を押して寄越すと、扶け起すつもりであろう、片手が薄色の手巾ごと、ひらめいて芬と薫って、優しく男の背にかかった。
二十八
南無観世音大菩薩………助けさせたまえと、散策子は心の裏、陣備も身構もこれにて粉になる。