Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
Leggi 松のや露八 (まつのやろはち) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.597 caratteri · 253 schermate
三
半蔵は、全身で、呶鳴った。
三
苦労人の叔父。粋な叔父。――その人よりほかに、父を宥めてくれる者はないと思って、使いを飛ばした弟の気持を、半蔵も照子も、実は、知っていた。心の裡で、掌を合わして、待っていた。
「成らん! 今度こそ、断じて、宥すことは相成らん!」
半蔵の頑張るのは、当然なる父の心にもない猛りだった。まア、まア、と押問答の揚句、処分は叔父に任せるとなった。そして、半蔵は一間の襖を閉めきった。
「お照っ。剃刀を持ってこいっ」
叔父は、下げ緒を解いて、片襷をかけた。
どうするのかと、怪しんでいると、庄次郎の頭をつかまえて、ゾリゾリと剃ってしまった。嫁も弟も、中間も、黙って見ているよりほかなかった。
鉄之丞は、高僧が、得度の授戒でもするように、厳粛な顔つきをして、剃刀をうごかしていたが、半分ぐらいまで剃って、きれいな大坊主が出来かけると、誰か、くすッと笑った者があった。
(誰だ)
と、咎めるように、鉄之丞の眼が睨めまわしたが、誰も、笑っているどころか、八十三郎も、照子も俯向いたきり、すすり泣きを洩らしているのである。
ふと、気がつくと、笑っているのは、本人だった。