Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate

Aozora Bunko

風邪も直ってみれば、この上家にじっとしてはいられないのです。兄と話しながら、明日でも帰京しようかと、考えていました。それには子供の時から中学の寄宿舎時代にも、兄弟のように親しくしていた友達が、一人います。私と違って今では、自分の家に引っ込んで、もう二人の子供の父親になって、隣り村の助役なぞを勤めていますが、私が帰ったと聞いて二度も三度も、訪ねて来てくれています。その都度兄が逢ってくれて、私はまだ逢っておりません。これからその友達を訪ねて、明日にも東京へ帰ろうか? と、身仕度しているのを見ると、

「だれか、案内させようかの?」

と兄は書類をしまいながら、声をかけました。

「要らんよ、子供の時から、歩きつけてる道だもの」

「倫敦や、巴里でばかり暮らしとって、ようこねな山ん中を、忘れずにいたもんだな」

と兄は、笑いました。

「簗から嘉助が、大分ひらべを上げて来たちう話だ。いろんなものを、貰うとるけん、おかのにいうて、土産に持ってかんけえ?」

そして私は、昔の中学生時代に返って、笹の葉に通したひらべを持って、――兄のいうひらべのやまめを持って、友達を訪ねることにしました。