Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
桜の馬場
「八郎太さん、萩江さん、初野さん、早くきてくださいよう! ご隠居さまがたいへんですよう! ご隠居さまが……」
その声におどろいて、みんながかけつけてきたときには、もはやゆうべのうちに、老母は小金吾のあとを追ったとみえて、白装束にきかえたからだは、左胸とのどを突き、みごとな自害を遂げています。
ひっそりとした邸のなかは、急にわきたつようなさわぎになってきましたが、この混雑にとりまぎれて、そのとき以来、猫の玉のいなくなったことに気づいたものは、だれひとりもいなかったのです。
桜の馬場
かくして老母は、無念の自害を遂げてしまいましたが、たださえあととりの小金吾はゆくえしれず、のこる老母も自害をとげては、もはやあとに家をつぐものもおりません。とうとうここに、さしもの名家竜胆寺家も、むなしく断絶……。
召使たちは、泣く泣く主家にわかれをつげて、ちりぢりに立ちさり、上久原の邸は、いまではすむ人もなく、草木のおいしげるにまかせて、いたずらに狐狸のすみかとかわりはて、見るかたもないすがたとなってしまいました。
が、ちょうどこのころから、家老左近将監の身には、さまざまな変異があらわれはじめてきたのです。