Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
ふたりのお藤
そのはやいこと、はやいこと! とてもおいつけるものではありません。左近将監も思わずわれをわすれて、
「ウウム、忍術つかいというものは、さすがにみごとなものじゃのう」
と、嘆声をあげていましたが、この期におよんでも、まだ将監は、これが小金吾のかたきを討たんがための、怪猫玉のしわざであるとは、夢にも気がつきません。
かくて一度ならず二度までも、襲撃に失敗し、しかもそのたびごとに、左近将監の身のまわりはますます用心をかさねてきましたが、殺された旅の若い女も、かたき役の柳という若侍も、それらはいずれも怪猫の眷属郎党であって、死体を両脇に逃げさった山伏すがたの男こそが、怪猫玉の化身であったということは、みなさまには、ご推察のつかれるところであろうと思われます。
ふたりのお藤
さて、ちょうどそのころのある日のことでした。奥女中の八重が納戸のたんすのまえで、しきりに左近将監のきものをたたんではしまっているときだったのです。
八重は、夕方左近将監が御殿からひけてかえってきたときにさしあげるお夕飯のおかずのことで、朋輩の藤にたのんでおいたもののことを思いだしたのです。