Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
むせび泣く魂
むせび泣く魂
もちろん、いくらひろい屋敷といっても、これだけのさわぎが起って、きこえぬというはずはありません。召使たちは、いずれもギョッとして、広書院のほうのただならぬようすに耳をすませました。
たしかにいま、すごい叫びと、人のたおれるような音がしたと思いましたが、つづいて物音はもうなんにもきこえず、広書院は、なにかぶきみにしずまりかえっているけはいです。
「いまの声をおききになりました? どうしたんでしょうねえ? たしかにいまのは、だんなさまのお声のようでしたけれど……」
「竜胆寺さまの若さまと、何かいさかいでもなすったのかしら? きょうはだいぶ、癇がたっておいでのようですから」
と女たちはおびえて、目を見あわせているだけです。こういうときには、しかられてもなんでもちかづいていけるのは、いちばんお気にいりの若党の、佐平治以外にはないのです。
「ま、みんなさわがないで、……じっとして、……じっとして……わしがいって、ひとつようすを見てくるから……」
と、いくまがりもいくまがりもある長い廊下を、抜き足さし足広書院のほうへちかづいていく佐平治とても、もちろんいい気持ではありません。