Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate

Aozora Bunko

ただ眼先にちらついてくるのは、たった今のあのフラフラと立ち上った時の顔も頭も区別のつかないノッペラボウなお内儀さんの姿ばかりであった。

「……どうしても眠れないわ。ちょいと! 起きて下さらない? ね、起きてお酒でも飲んで話してましょうよ」

と、これもいったん床へはいった君太郎がムックリ起き上ったのを機会に、私も蒲団を離れてしまった。

ごうごうと音だてて燃え盛っているストーヴの合間合間に耳を澄ませると、表はまだざわめいて、階下でも起きて話しているらしく、まだみんな異常な出来事の昂奮から落ちつきを取り戻していないらしい様子であった。

そしてやっと酒の仕度を整えて来た女中は、真っ青な動悸の静まらぬ顔をして、

「とんだお騒がせをしましてん」

と自分が粗相でもしでかしたかのように、謝った。

四

この女中に聞くと、怪我人たちはすぐ側の池田病院とかいうのへ運ばれて行ったが、三人とも全身焼け爛れてとうてい命は取り留め得なかろうということであった。

発音の聞きとりにくいこの地方の浜言葉であったから、明瞭にはわからなかったが、すぐ七、八軒先の向い側の小さな時計屋の亭主とお内儀さんと亭主の妹との三人で、夜業をやっていながらふとした粗相で傍に置いてあった揮発の大罐に火が移って、三人とも頭からその爆発を浴びてしまったという