Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
「ようし……いってみてこよう! 吉蔵、おまえすまんが、懐中電灯をもって、ついてきてくれないか!」
博士は庭をよこぎって、むかしの厩のくずれた小屋跡から、野草におおわれたほそい小道のうねうねとした石垣にそってすすみ、茶畑のなかへはいっていきました。
五郎丸の死骸は、その茶畑のなかほどの、お地蔵さまの立っているすぐ横手によこたわっているのです。
「うむ……ひどい死にかたをしている……」
さすがの博士も、その五郎丸の屍体を見ると、顔をそむけずにはいられませんでした。
「五郎丸! てめえのようなつよい悧巧な犬がよ……どうしてこんな殺されかたをしたんだ」
と、鍬をかついでついてきた吉蔵も、声をのんでしまいました。
よほどひどい格闘をしたのでしょうか? あたりは土や草がふみにじられて、五郎丸はむごたらしいすがたで死んでいるのです。死因はふかい爪傷で、下腹部をひきさかれ、内臓までも露出しているのです。
五郎丸は、日本犬中でももっとも強いといわれる土佐の二歳の雄犬です。めったおこらぬかわりに、いったんおこったがさいご、強盗の二人や三人は、わけなくかみふせてしまうほどの猛犬なのです。