Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate

Aozora Bunko

老僧の眼力

それを思うと必要以外のことは、いっさいいわずにおこうと、博士はいっそうかたく口をつぐんでしまわれました。

老僧の眼力

けさ足跡を見て吉蔵にくちどめしていらい、博士は老婆の正体について頭をなやましぬいていたのです。そこへもってきて、いまのお百姓のことばをきけば、その神出鬼没のはやわざには、まったくおどろかずにはいられません。

もはやこれでは、この老婆はけっして、人間ではありません。たしかに、妖怪変化のたぐいです。

その妖怪変化のたぐいが、おとといもきてまたゆうべも、真夜中に足音をしのばせて、すきあらばこの家をおそおうとして、庭をウロつきまわっているのですから、さすが快活な博士も、なんともかともいいようのないおそろしさをおぼえずにはいられませんでした。

「おそろしいわね」

「とても、こわいわ……わたし……」

お百姓もかえったあとは、もうじぶんたちの部屋へひっこむどころではなく、看護婦も女中も、夫人といっしょに茶の間にひしかたまって、青い顔をしてふるえているかたわらで、博士はひとり黙念として腕をくみながら、考えこんでいました。

だいいちかりに、あの老婆が妖怪変化であるとしても、いまの世のなかに、そんな妖怪などというものが、ありうることでしょうか? よしあったにしても、その妖怪変化がなぜこうまでもしつこく博士の家を、