Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
玉には老母の泣いてよろこんでいてくれるのが、よくわかるとみえて、老母の膝の上で頭や背をなでられながら、さもうれしげにゴロゴロと、のどをならしているのです。
やがて老母は、食いきられた小金吾のきものの切れはしを仏壇にそなえて、手さぐりでお灯明をあげて読経に余念もありませんでしたが、ちょうどそのころ――、城代左近将監の邸で、ネズミがでたと大さわぎしていることは、老母もこの利巧な猫の玉ですら、夢にも気がつかなかったであろうと思われます。
「佐平治! コリャ佐平治! そのほう大いそぎでいって左官屋をよんでこい! ネズミに食いやぶられるような、こんなぞんざいなぬりかたをするとは、不埓千万なやつ! さ、はよういってよんでこんか! いざこざ申しおったら、さしつかえないから、首に縄をつけても、ひっぱってこい! 不埓千万な……不埓千万な!」
と、例のはなれ座敷のなかで、左近将監はゆでダコのようになってどなりちらしています。じぶんでも、たすきをかけて、なにかネズミの大穴をつくろっているけはいです。そして、いっぽう納戸のたんすにもたれた奥女中八重が、
「どうしてたんすのなかまで、ネズミがはいったもんでしょうねえ? たんすにはどこにも食いやぶったあとがないし……おまけにだんなさまのご紋のついたきものがたった一枚だけ食いやぶられて