Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
「なんの話だかね……おら、気が小せえほうだから、あんまりおどかさねえでくらっせえよ」
と、こわごわそばへよった下働きの耳へ口をつけて、一言何かささやいたと思ったとたん、たちまちこの下働きは、ガタガタガタガタと、とめどもなくふるえだしました。顔色がまっさおにかわって、口がきけないのです。
「ふんなら……おら……今夜……だんなさまにお手討ちに? ああ、どうすべえなァ、どうしたらええべなァ……なにもおら悪いこともしねえだになァ……」
おんおんと声をあげて泣きだしてしまいました。
「おまえ助かりたいかえ?」
「お八重さま、後生一生のおねがいだァ、助けてくだせえまし……おらは在所に年をとった父つァまとふたりッきりだァ……死んだら父つァま、どんなに嘆くかわかんねえだべなァ……お八重さま、一生ご恩にきるだァ。助けてくだせえまし……」
ポロポロとあられのような涙を、陽にやけた頬につたわらせて、八重にすがりつきました。
「では、わたしが内証で助けてあげる! すぐおにげ! そこはそのままでいいからスグおにげ!」
「逃げますだ! 逃げますだとも! おらもう、こんなおそろしいお邸には一刻もいられましねえだ……」