Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
「たわけものめ!」
と例によってまた左近将監のおハコがはじまりました。
「そち、何年当家につかえおる! それしきのとりしまりもできずに、若党がつとまるか! バカものめ!」
と頭ごなしにどなりつけましたが、そのかんしゃくまぎれに、
「よべ! そのですぎ女をよべ! さっさとせんか!」
と、ついでにこの女中もどなりつけるつもりでいたのでしょう。かんしゃくすじがポッカリとこめかみのあたりに、もうみみずのようにフクれあがっているのです。
「おそれいります。ではただいま召しつれますでございます」
と、もう主人のかんしゃくにはなれきっておりますから、佐平治は蚊のくったほどにも感じません。表面はしおらしくもみでをしてひきさがっていきましたが、やがて、
「だんなさま、里をめしつれましてございます」
と、そこへ佐平治とならんで指をついている四十くらいの女中を見ると、
「召使のぶんざいをもって押しかえし押しかえし、うるさい女じゃな! 主人にたいしてなんの密談がある? そちは相談したいことがあっても、わしには、召使ふぜいと相談したいことはなんにもないわい!」
と、もう頭ごなしのドラ声です。