Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
血は斑々とたれつづいているのでしょうが、まっくらな夜ですから、もはやなんにもわかりません。ひろい石段を一気にかけあがって、いよいよおもて玄関へむかう砂利のところで、将監はべっとりとしたものに足をすべらせて、もういちどあゆみをとめました。
「佐平治、佐平治! あかりをみせい! 血ではないか」
「おう、だんなさま、たいへんな血が! お、若さまのおはかまのひもがここに切れております。これはだんなさま、よういならぬことで!」
佐平治が提灯の光のかげでふるえ声をだしたのも道理、いま佐平治がさししめしたそこには、よほどのすざまじい格闘がおこなわれたのでしょう。そのあたりいちめんにべっとりと血がたまって、そのなかからいま佐平治のひろいあげたのは、新之丞のはかまのひもだったのです。
しかもつい目と鼻のさきのこの玄関まえで、これだけのものすごい格闘がおこなわれたともしらず、玄関のとびらには厳重にかんぬきがかかって、屋敷のなかは、ねしずまったように、シーンとして物音ひとつきこえてはまいりません。
「これはいかなこと! だんなさまがおかえりだというに、みんなはいったいなにをしているのだ」