Classici giapponesi con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Leggi 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) di 橘 外男 (たちばなそとお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.400 caratteri · 387 schermate
いまこの物語の筆をおくにあたり、わたくしは心から不幸なりし従妹の霊安かれと念じ、あわせて不幸なる夫博士の心の傷手の一日も早く癒えんことを、祈ってやまないのであります。
「従妹が離れ座敷へはいっていたあいだに、天井がおちたり壁がくずれたのならば、なぜその物音があなたにはきこえなかったのだろう?」
と、わたくしがなじりましたところ、
「いいえじぶんは三十分ちかくも、奥さまがでておいでになるのをお部屋のそとでお待ちしていましたが、けっしてけっしてそのとき物音などは、カタともドンともきこえませんでした」
と、女中のおもとは涙にむせびながら、いくたびもいくたびも頭をふってこたえておりました。
なんというおそろしいことだろうと、わたくしはあらためてまた、身ぶるいせずにはいられませんでしたが、いまそれを、しみじみと思いだすのです。