Classici giapponesi con furigana
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ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Leggi 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.213 caratteri · 325 schermate
――長崎以来、雪女の女中弟子になっていた玉枝が、羅門へ仔細を通じたので、悪の首領たる其方は、得たり賢しと、善人の郁次郎を、誰が目にも、すべての下手人であるように仕組んで、まず第一に、雪女を殺した」
「待てッ、江漢」
羅門は、かつて彼が吐いたことのない呶号で罵った。
「貴様は、驚くべき嘘の天才だ。大山師だ。よくもそう根も葉もないことを、すらすらと言えたものだ」
「これでも根も葉もないことか」
老先生はからりっと、羅門の眼の前へ一箇の小箱を投げ出した。血の干乾びた雛妓の小指が、はいっていた。
「これは何だ!」
羅門は傲然として冷笑した。
「何だ、この子供騙しみたいな物は」
「そうだ、いかにも子供騙しにちがいない。しかし汝は、これを玉枝の手から大村郷左衛門へ送らせては、数千金の金を取ったではないか」
「覚えはない! 左様なこと」
「佐渡平――」
と、老先生は右わきの襖へ向って呼んだ。
「為替台帳と、荷為替の送り状帳を揃えて、この素浪人に見せてやれ」
「へい……」
佐渡屋和平は、畏る畏る、数冊の台帳を持って羅門のそばへさし出した。
「見たらどうだ、羅門、遠慮はいらん」
「知らん!」