Classici giapponesi con furigana
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Leggi 狂い凧 (くるいだこ) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 111.430 caratteri · 226 schermate
「それを川辺軍曹は思い出したんですな」
加納は言った。
「その頭蓋骨を掘り出して来た。そんなの効く筈がないと言っても、衛生兵如きの言を聞く男じゃないんです」
掘り出して来ただけなので、頭蓋骨はまだ堅い。川辺はそれをだるまストーブに入れ、七日七晩かかってかんかんに焼き上げた。骨というのは頑丈なもので、ストーブぐらいの熱では破片にはなるが、粉にはならない。
「川辺はその破片を飯盒の蓋に入れ、金槌でしきりに叩いてたね。いくら叩いても、粒状になる。粉には絶対になりませんでしたよ。骨が新しかったせいかな」
川辺は粉にするのをあきらめて、その粒状の人骨を服用した。その夜彼は突然発熱し、水銀柱は四十度に上った。
「無茶なことをするもんだねえ」
栄介は言った。骨の話だけに、ぎくりとこたえるものがあった。
「それでその男、どうした?」
「どうしましたかねえ」
加納は遠くを眺める眼付きになった。
「翌朝、交替の衛生兵が到着して、自分は大同に行くことになったんです。何のために大同に集まるのか、わたしはまだ知らなかったけれど、同年兵たちに久しぶりに会えるのが嬉しくてね。もしかすると召集解除になって、日本に帰れるかとも思って――」