Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate

Aozora Bunko

そして「今晩は」ともいわず、ぐったり壁際の長椅子にかけた。

「どうしたんだい、今ごろ。」

「夜風に当たっちゃいけないんだよ。」

銀子は頷いていたが、栗栖は診てやろうと言って、反射鏡などかけ、銀子を椅子にかけさせて咽喉を覗いたりしたが、ルゴールも塗った。銀子は、親爺が栗栖を忌避して、別の医者にかかっていた。

「含嗽してるの。」

「してるわ。」

「今夜は何かあったのかい。変じゃないか。」

栗栖はテイブルの前の回転椅子をこっちへまわし、煙草にマッチを摺った。

「ううん。」

婆やは蜜柑と紅茶をもって来て、喫茶台のうえに置いて行ったが、

「蜜柑はよくないが、少しぐらいいいだろう。」

「そうお。」

銀子も栗栖も紅茶を掻き廻していたが、彼は銀子の顔を見ながら、

「君も十七になったわけだね。」

「十七だか十八だか、私月足らずの十一月生まれだから。」

「ふむ、そうなのか。それにしてはいい体してるじゃないか。僕も一度君を描いてみたいと思っているんだが、典型的なモデルだね。」

「そうかしら。」

「それに芸者らしいところ少しもないね。」

「芸者嫌いよ。」

「嫌いなのどうしてなったんだ。親のためか。大抵そう言うけれど、君は娼婦型でないから、それはそうだろう。