Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
十
出たてのころ目につくのは、大抵若いのっぺりした男なのだが、鳥居の数が重なるにつれ、若造では喰い足りなくなり、莫迦々々しい感じのするのが、彼女たちの早熟の悲哀であった。しかし銀子はまだぴちぴちしていた。
「失敬なことを訊いてすまないけれど、やはり現実の問題となるとね。」
銀子は黙っているので栗栖は追加した。
「いくらでもないわ。」
「…………。」
「千円が少し切れるぐらいだと思うわ。それに違約の期限が過ぎているから、親元身受けだったら、落籍祝いなんかしなくたっていいのよ。」
「じゃ、それだけ払ったら、君僕んとこへ来るね。よし安心したまえ。」
銀子は事もなげに領いたが、何か大きな矛盾がにわかに胸に乗しかかって来て、瞬間弱い頭がぐらぐらするのだった。今夜もまた自暴酒を呷っているであろう、獣のような親爺の顔も目に浮かんで来た。
急患があり、病院から小使が呼びに来たので栗栖は玄関へ出て行ったが、部屋へ帰ってみると、銀子が薬棚の前に立って、うろうろ中を覗いていた。
十
「おい、そんな処に立って、何を覗いていたんだい。その中には劇薬もあるんだぞ。」
栗栖は仄かな六感が働き、まさかとは思ったが、いわば小娘の銀子なので、その心理状態は測りかね、窘めるように言った。