Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
十五
裏木戸と言っても、瀬川はもとより俳優の下足を扱う口番でもなく、無論頭取部屋に頑張っている頭取の一人でもなかったが、香盤の札くらいは扱っており、役者に顔が利いていた。お神が切れるところから、彼は来るたびに何かおつな手土産をぶら下げ、時には役者の描き棄てた小幅などをもって来て、お神を悦に入らせるのに如才がなかった。
「こちらは何と言っても玉揃いで、皆さんお綺麗でいらっしゃいますよ。」
彼はそんなお世辞を言い、
「そのうち私も一つどこかでお呼びしますから、皆さんお揃いでいらして下さい。」
と言うので、お神も反らさず、
「どうぞぜひ、ほかはどうか分かりませんが、このごろ家は閑で困るんですよ。」
そのころ大阪ですばらしい人気を呼んだ大衆劇の沢正が、東京の劇壇へ乗り出し、断然劇壇を風靡していたが、一つは水際だった早斬りの離れ業が、今までのちゃんばらに一新紀元を劃したからでもあり、机龍之介や月形半平太が、ことにも観衆の溜飲を下げていた。
後から考えれば、すべては諜し合わされた狂言の段取りであったようにも思えるのだったが、その時には銀子もぼんやりしていて、格別芝居好きでもないので、進んで見ようとも思わなかったが、沢正の人気は花柳界にも目ざましいので、ある日お神が瀬川に電話をかけて、場所を取ってもらうようにというので、銀子はその