Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
今猪野のお辞儀した渡弁護士も、担任弁護士の一人であり、彼によって東京の名流が、土地の法廷へも出張して、被告猪野の弁護にも起ったのであった。
猪野は小さい時分から、米の大問屋へ奉公にやられ、機敏に立ち働き、主人の信用を得ていたが、主人が亡くなり妻の代になってから、店を一手に切りまわしていたところから、今までの信用を逆に利用し、盛んに空取引の手を拡めて、幾年かの間に大きな穴をあけ、さしも大身代の主家を破産の悲運に陥れたものであった。
やがて猪野は渡弁護士を食堂に案内し、お神の竹子も席を立ち、「お前もおいで」といわれて、銀子ものこのこついて行った。
「これが今ちょっとお話しした、新規の抱えでして。」
猪野は銀子を渡に紹介した。上玉をつれて帰るというので、彼は今日上野を立つ前に家へ電報を打ったりしていたが、弁護士にも少し鼻を高くしているのだった。
猪野は洋食に酒を取り、三人でちびちびやりながら、訴訟の話をしていたが、銀子には何のことか解らず、退屈して来たので、食べるものを食べてしまうと、
「私あっち行っててもいいでしょう。」
とお神にそっとささやき、食堂を出て独りになった。