Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
銀子は入院当時、自尊心を傷つけるのがいやさに、わざと肋膜だといって脅かし、家の都合でここで安静にしているのだと話したのだったが、しばらく姿を現わさないところを見ると、それを真に受け、怖れて近づかないのかしらなぞと思っていた。それが今ごろどうして来たのか、珍らしい人が来たものだと、わざと恍けていた。
「もう起きていいのかね。」
看ると浦上は、左の頬から頭へかけ、大袈裟に繃帯していたが、左の手首から甲へも同じく繃帯がしてあった。
「わんさんどうしたの?」
「酷い目に逢いましたよ、高野山で……。」
「高野山へ行ってたの。」
「そうですよ。高野山で崖から落っこちて怪我したですよ。ほらね、足も膝皿を挫いて一週間も揉んでもらって、やっと歩けるようになったですよ。」
「まあどうして……。」
「高野山に肺病なら必ず癒るという薬草があるのです。これは誰にも秘密だがね、僕の祖父時代までは家伝として製法して人に頒けてやっていたもんです。僕も十四五の時分に見たことがありますが、今は大概採りつくして、よほど奥の方へ行かないと見つからないということは聞いていたです。僕は寿々さんのためにそいつを捜しに出かけたんだがね、なるほど確かにそれに違いないと思う薬草はあるにはあるんだが、容易なことじゃ採れっこないですよ。