Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
九
ちょうど数寄屋橋を渡って、最近出来たばかりの省線のガードの手前を左へ入った処に、その骨相家の看板が出ていた。
「貴女は住替えした方がいいのう。」
半白の顎鬚を胸まで垂らした老骨相家は言うのだった。
「住替えは赤坂に限る。赤坂へ住み替えれば運は必ず嚮いて来るのう。ほかはいかん。」
まるで見当はずれなので、銀子は可笑しくもあり、赤坂の芸者屋と聯絡でも取っているのかとも思い、見料をおいて匆々にそこを出た。
九
永瀬はその後も三四度現われたが、銀子に若林のついていることが、薄々耳に入ったものらしく、次第に足が遠退き、ふっつり音信が絶えてしまったが、藤川のお神が間に立って、月々の小遣や、移り替え時の面倒を見てくれている、ペトロンはペトロンとして、銀子も明ければもう二十歳で、花柳気分もようやく身に染み、旦那格の若林では何か充たされないものを感じ、自由な遊び友達のほしい時もあった。そしてそういう相手が、ちょうど身近にあるのであった。
時々帳場の調べに来てくれて、抱えたちを相手にトランプを遊んだり、芝居や芸道の話をしてくれたり、真面目な株式の事務員としてどこか頼もしそうな風格の伊沢がそれで、その兄は被服廠に近いところに、貴金属品の店をもっており、三十に近い彼はその二階で、気楽な独身生活をつづけ、たまには株も買ったりして、懐の