Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
僕は切ってよかったと今でも思うよ。切って駄目なものなら、切らなきゃなお駄目なんだ。じりじり追い詰められるばかりだからね。」
何事なく言っているうちに、庸三は十二三年前に、胃腸もひどく悪くて、手術後の窶れはてた体を三週間もベッドに仰臥していた時のことを、ふと思い出した。十三の長男と十一の長女とが、時々見舞いに来てくれたものだが、衰弱が劇しいので、半ば絶望している人もあった。神に祈ったりしていたその長女は、それから一年もたたないうちに死んでしまった。心配そうな含羞んだようなその娘の幼い面影が、今でもそのまま魂のどこかに烙きついていた。もしも彼女が生きていたとしたら、母の死の直後に起こった父親のこんな事件を、何と批判したであろうか。生きた子供よりも死んだ子供の魂に触れる感じの方が痛かった。それに比べれば、二十五年の結婚生活において、妻の愛は割合酬いられていると言ってよかった。
翌日になって、三時ごろに二人打ち連れて医師がやって来た。彼らはさも気易そうな態度で、折鞄に詰めて来た消毒器やメスやピンセットを縁側に敷いた防水布の上にちかちか並べた。夏もすでに末枯れかけたころで、ここは取分け陽の光にいつも翳があった。