Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
「今夜はおあいにくさまですわ。少し立て込んでいるんですのよ。」
庸三はその素気なさに葉子と顔を見合わした。やがて自動車を呼んで、そこを出てしまった。
「小夜子さん光一でなきゃ納まらないんだ。」
葉子は車のなかで言った。
ある夜も小夜子はひどく酒に酔っていた。
酒のうえでの話はよくわからなかったけれど、片々に口にするところから推測してみると、とっくに切れてしまったはずのクルベーが、新橋の一芸者を手懐けたとか、遊んでいるとかいうようにも聞こえたし、寄越すはずの金を、小夜子の掛引きでかクルベーの思い違いでか、いずれにしても彼の態度が気にくわぬので、押しかけて行って弾き返されるのが癪だというように聞こえた。
クルベーはまだ十分小夜子に未練をもっていた。彼は今少し何とか景気を盛りかえすまで、麹町の屋敷に止まっているように、くどく彼女に勧説したのであったが、小夜子は七年間の不自然な生活も鼻についていた。クルベーのように、自分を愛してくれたものもなかったが、クルベーほど彼女のわがままを大目に見てくれたものもなかった。若い歌舞伎俳優と媾曳して夜おそく帰って来ると、彼はいつでもバルコニイへ出て、じっと待っているのだった。