Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
それからそれへと新らしい恋愛を求めて行く彼女を追跡したいような好奇心に駆られていた。ある時は彼もぴったり心に錠を卸してしまい、あの憂鬱な日常から解放された気易さで、庭へ出て花畑の手入れをしたり、蔓る雑草を刈り取ったり、読みさしの本を読んだりするのだったが、そうしているとまたつい独身ものの気弱さというようなものにも、襲われがちで、まだ記憶の新しい亡き妻の思い出を超えて、ずっとその奥の方にぼやけている亡き愛嬢の面影や、死の前後のことが不意に彼を感傷の涙に誘うのであった。夜なかに目がさめてその娘のことが浮かんで来ると、いつでも胸が圧されるようになって、病的な涙が限りなくにじみ出て枕にまで伝わりおちるのであった。そしてその次ぎには、死ぬまで――いつもうっちゃりぱなしにしておいた母に詫びたいような弱さに引き入れられた。妻はといえば、十分愛したつもりの庸三には悔いるところもなかった。
庸三は昼間も床を延べさせて、うつらうつらとしているようなことも多かったが、葉子が庸三を裏切ったと言って憤慨している権藤青年の誘いもあって、今一度葉子に会う機会を作りはしたが、上野の鳥料理で金を渡して別れてしまってからは、急に遠い人になってしまった感じで、憑きものが落ちたような空虚な自身を見出すのであった。