Classici giapponesi con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Leggi 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 327.364 caratteri · 638 schermate
「だから貴方もぶらぶらしていないで、自分で裁断もやり、ミシンにかかればいいじゃありませんか。」
年上のマダムは言うのであった。彼女は近頃財布の紐を締めていた。
「大の男がそんなまだるいことがしていられますか。よしんばそれをやってみたところで、行き立つ商売じゃないよ。」
「第一あんな人がついていたんじゃ、いくら儲かったって追い着きませんよ。どうせ腐れ縁だから、綺麗さっぱり別れろとは言いませんけれど、何とかあの人も落ち着き、貴方もそうせっせと通わないで月に二度とか三度とか、少し加減したらどうですかね。」
「むむ、おれも少し計画していることもあるんだがね。何をするにも先立つものは金さ。」
今までにマダムの懐から出た金も、少ない額ではなかった。今度はきっと清算するから、手切れがいるとか、今度は官庁の仕事を請け負い、大儲けをするから、利子は少し高くてもいいとか、松島の口車に載せられ、男への愛着の絆に引かされ、預金を引き出し引き出ししたのだった。
彼女は松島と同じ家中の士族の家に産まれ、松島の従兄に嫁いだとき、容色もよくなかったところから、相当の分け前を父からもらい、良人が死んでから、株券や家作や何かのその遺産と合流し、一人娘と春日町あたりに、花を生けたり、お茶を立てたり、俳句をひねったりして、長閑に暮らしていた。