Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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すさのおのみこと

素戔嗚尊

芥川 竜之介

Leggi 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.917 caratteri · 86 schermate

Aozora Bunko

二十

彼を欺いたのはあの娘であろうか。それとも牛飼いの若者であろうか。それともまたこの相手が何か狡猾な手段を弄して、娘から勾玉を巻き上げたのであろうか。……

彼はずるずる若者を引きずりながら、とうとう目ざす小家まで来た。見ると幸小家の主人は、まだ眠らずにいると見えて、仄かな一盞の燈火の光が、戸口に下げた簾の隙から、軒先の月明と鬩いでいた。襟をつかまれた若者は、ちょうどこの戸口の前へ来た時、始めて彼の手から自由になろうとする、最後の努力に成功した、と思うと時ならない風が、さっと若者の顔を払って、足さえ宙に浮くが早いか、あたりが俄に暗くなって、ただ一しきり火花のような物が、四方へ散乱するような心もちがした。――彼は戸口へ来ると同時に、犬の子よりも造作なく、月の光を堰いた簾の内へ、まっさかさまに投げこまれたのであった。

二十

家の中にはあの牛飼の若者が、土器にともした油火の下に、夜なべの藁沓を造っていた。彼は戸口に思いがけない人のけはいが聞えた時、一瞬間忙しい手を止めて、用心深く耳を澄ませたが、その途端に軒の簾が、大きく夜を煽ったと思うと、突然一人の若者が、取り乱した藁のまん中へ、仰向けざまに転げ落ちた。