Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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すさのおのみこと

素戔嗚尊

芥川 竜之介

Leggi 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.917 caratteri · 86 schermate

Aozora Bunko

三十五

「では、――ではどうしたのです。何か難儀な事でもあったら、遠慮なく話して御覧なさい。私に出来る事でさえあれば、どんな事でもして上げます。」

彼がこう優しく慰めると、女は始めて勇気を得たように、時々まだ口ごもりながら、とにかく一切の事情を話して聞かせた。それによると女の父は、この川上の部落の長をしている、足名椎と云うものであった。ところが近頃部落の男女が、続々と疫病に仆れるため、足名椎は早速巫女に命じて、神々の心を尋ねさせた。すると意外にも、ここにいる、櫛名田姫と云う一人娘を、高志の大蛇の犠にしなければ、部落全体が一月の内に、死に絶えるであろうと云う託宣があった。そこで足名椎は已むを得ず、部落の若者たちと共に舟を艤して、遠い部落からこの岩の上まで、櫛名田姫を運んで来た後、彼女一人を後に残して、帰って行ったと云う事であった。

三十五

櫛名田姫の話を聞き終ると、素戔嗚は項を反らせながら、愉快そうに黄昏の川を見廻した。

「その高志の大蛇と云うのは、一体どんな怪物なのです。」「人の噂を聞きますと、頭と尾とが八つある、八つの谷にも亘るくらい、大きな蛇だとか申す事でございます。