Classici giapponesi con furigana
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すさのおのみこと
素戔嗚尊
Leggi 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.917 caratteri · 86 schermate
三
が、手ごろな巌石のほかは、中でも膂力の逞しい五六人の若者たちでないと、容易に砂から離れなかった。そこでこの力競べは、自然と彼等五六人の独占する遊戯に変ってしまった。彼等はいずれも大きな岩を軽々と擡げたり投げたりした。殊に赤と白と三角模様の倭衣の袖をまくり上げた、顔中鬚に埋まっている、背の低い猪首の若者は、誰も持ち上げない巌石を自由に動かして見せた。周囲に佇んだ若者たちは、彼の非凡な力業に賞讃の声を惜まなかった。彼もまたその賞讃の声に報ゆべく、次第に大きな巌石に力を試みようとするらしかった。
あの容貌の醜い若者は、ちょうどこの五六人の力競の真最中へ来合せたのであった。
三
あの容貌の醜い若者は、両腕を胸に組んだまま、しばらくは力自慢の五六人が勝負を争うのを眺めていた。が、やがて技癢に堪え兼ねたのか、自分も水だらけな袖をまくると、幅の広い肩を聳かせて、まるで洞穴を出る熊のように、のそのそとその連中の中へはいって行った。そうしてまだ誰も持ち上げない巌石の一つを抱くが早いか、何の苦もなくその岩を肩の上までさし上げて見せた。
しかし大勢の若者たちは、依然として彼には冷淡であった。