Classici giapponesi con furigana
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すさのおのみこと
素戔嗚尊
Leggi 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.917 caratteri · 86 schermate
十三
「鉤が呑めるのは魚だけです。しかし私も若い時には――」
思兼尊の皺だらけな顔には、一瞬間いつにない寂しそうな色が去来した。
「しかし私も若い時には、いろいろ夢を見た事がありましたよ。」
二人はそれから久しい間、互に別々な事を考えながら、静に春の木々を映している、古沼の上を眺めていた。沼の上には翡翠が、時々水を掠めながら、礫を打つように飛んで行った。
十三
その間もあの快活な娘の姿は、絶えず素戔嗚の心を領していた。殊に時たま部落の内外で、偶然彼女と顔を合わせると、ほとんどあの山腹の柏の下で、始めて彼女と遇った時のように、訳もなく顔が熱くなったり、胸がはずんだりするのが常であった。が、彼女はいつも取澄まして、全然彼を見知らないかのごとく、頭を下げる容子も見せなかった。――
ある朝彼は山へ行く途中、ちょうど部落のはずれにある噴き井の前を通りかかると、あの娘が三四人の女たちと一しょに、水甕へ水を汲んでいるのに遇った。噴き井の上には白椿が、まだ疎に咲き残って、絶えず湧きこぼれる水の水沫は、その花と葉とを洩れる日の光に、かすかな虹を描いていた。娘は身をかがめながら、苔蒸した井筒に溢れる水を素焼の甕へ落していたが、ほかの女たちはもう水を汲み了えたのか、皆甕を頭に載せて、しっきりなく飛び交う燕の中を、家々へ帰ろうとする所で