Classici giapponesi con furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Leggi 自警録 (じけいろく) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.224 caratteri · 328 schermate
話の順序として自己の恥曝しから始めたい。僕が十三、四のころであった。まだ東京英語学校に、下宿から通学していたとき、友人某が九州の親許より来る学資金が後れたために寄宿料、食料、月謝の支払いに滞りが起こり大いに当惑せるを見、僕は彼を自分の下宿につれて来たことがある。かくいうといかにも義侠心ありげに聞こえるが、実は日ごろ親しく交われる友人間のことゆえ、一時の急を救わんとする自然の友情より起こったことで、あながち誇るべきことではないが、これに反し僕が彼に対する態度は実に恥ずべきものがあった。
それはある夜同室に枕をならべて眠りにつきながらの話に、ワシントンと楠正成との比較論が始まり、僕が楠公を愛国者と称したのを、彼はこれを訂正し、楠公は愛国者でなく忠臣だといった。彼は僕より二歳年長であり、かつ漢学の素養も、より多くあったので、文字の遣い方も正しく、また彼の議論も今より顧みれば正当であったが、なに思いけん僕は突然床よりムッと起き上がり、彼の上に馬乗りに乗り、彼の頭を目がけて鉄拳を食わし、
「俺の飯を食ってるくせに、なぜ反対するか」
と怒鳴ったことがある。彼は僕より躯幹長大にして、活発にかつ短気の男であったが、この時ばかりは何も手向かいだもせず、擲られたままにその夜を過ごし、翌日は丁寧に礼を述べ他の下宿に移ったこと