Classici giapponesi con furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Leggi 自警録 (じけいろく) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.224 caratteri · 328 schermate
世の中には譲って差支えないことが多い
野蛮時代には武ばる一方で、永久に続くことは出来ぬ。喧嘩して世を渡るものは喧嘩両成敗で共倒れして後がつづかぬ。
武士のけんくゎに後家が二人出来
相互に殺し合うゆえに永続せぬのである。猛烈をもって勇気なりと思う時代はまだまだ野蛮時代たるを免れぬ。武骨で強そうなるをもって武士道の教訓のごとく思うははなはだ幼稚なる武士道である。理想に富める武士はものの哀れを知り、仁の徳に長け、温和に柔順なものである。
かつて英国のある子供が、その父に gentlemanly とはなんの意味かと問うたとき、父は通例の書籍に書いてある文句の切り方は違う、ふつにはジェントルマンとリーとに切る、と思うであろうが、これは文法上正しいだけで、その内容はジェントルで切り、マンリーを加え、柔和で男らしいという意味であると答えたという。
世の中には譲って差支えないことが多い
柔和というと、いかにも自分に意志なく、人の意志に脆く服従するごとく思うものあるが、しかし決してそうでない。柔和は意志の弱き謂でない。もっとも一方より考えれば、かく思うも無理はない。僕の考えでは世には抂げてもよい意思がたくさんにあり、また意思を表示するに及ばぬものもたくさんあり、あるいは意思を明らかにする必要なきものもたくさんあると思う。