Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.696 caratteri · 310 schermate
六
病を不治と思い込んだ当時の道徳では、弥三郎の態度はまことに見上げたものだったに相違ありません。
ところが、野天に寝て、不味い物を食うようになってから、不思議に弥三郎の病気は癒って行きました。全く治ったわけではありませんが、次第に身も心も軽くなって、年内に元の身体になるかも知れないと思う未練が、弥三郎を江戸から一歩も踏み出させなかったのです。
お絹は人伝てに弥三郎が観音様のあたりに居ると聞くと、矢も楯もたまらず、横山町から毎日のように逢いに来ました。
頑固な弥三郎は、部屋住みのお絹が持って来る金などは、どうしても受取らなかったので、いつの間にやら、毎日変った食物を持って来て、弥三郎が編笠を傾けてそれを食うのを、お絹は遠くから眺めて涙ぐんでいるようになったのです。
そのお絹の持って来た鮨で弥三郎は殺されたのです。平次はこれだけの事を探ると、深々と手を拱いて考え込みました。
六
平次は、とにかく横山町の越後屋に乗込んで行きました。今はおちぶれた弥三郎には相違ありませんが、自分の縄張内に、人一人殺した下手人が、息を吐いていると思うと、我慢がならなかったのです。