Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate

Aozora Bunko

「それはお困りだろう。私のところに、長崎から和蘭の小間物を取寄せるついでに、疝気寸白の妙薬を取寄せたのがあるが、それを少しばかりお裾分けをしようかな。家の婆さんの寸白は、たった一服で治って、びっくりしているんだが」

仁三郎の話は、病人には恐ろしい魅惑でした。

「そいつは耳寄りだね。一服譲っちゃ下さるまいか」

「いいとも。南蛮秘法の疝癪一服薬というのだが、――帰ったらすぐ使いの者に持たせてよこそう。寝る前に服むと、一刻経たないうちに、身体中が温まって、どんな苦しい痛みも一ぺんに忘れるから妙さ」

「有難いな。それを聴いただけでも、治ったような気がするよ。友達は持ちたいものさ」

「礼をうんと貰いますよ。――私は外に用事もあるから、皆さん、一と足先に御免を蒙ります」

仁三郎はそう言って隠居所を出て行きました。それがちょうど酉刻半(七時)です。

その話を聴いていたのは、婿の儀八と、儀八の兄の丸屋源吉。それに番頭の新兵衛、銭形の平次――とたったそれだけ。――いやもう一人、これは後で判ったことですが、一度帰ったはずの石橋屋の久助が、何か忘れ物があって取って返し、縁側で聴くともなく耳に挟んだということでした。